昨夜、ホテルの部屋でテレビをつけていたら「ジャポニ」と聞こえた。ベンガル語なので、何を言っているかはさっぱりわからない。でも、映像を見ると建物の中が真っ暗で、渋谷駅前の交差点にある電光掲示板が真っ暗。停電だ!とすぐにわかった。夕食の時にみんなに話したらガイドのマルフさんが大使館に問い合わせてくれた。すでに復旧していたとのこと。よかった。バングラで知った日本の事件でした。
さて、この日の朝は朝食前に国立公園であるSundorubons(シュンドルボン)へ。ホテルの近くの港から小さな船に乗って行きました。シュンドルボンとは「美しい森」、「シュンドリの木の森」を意味する。世界最大のマングローブの天然林で、バングラディシュの面積(インドにもまたがっているので)だけで、東京都の約3倍とのこと。広い。ベンガルタイガーの生息地としても有名。サルやワニもいます。今回は時間がないので、公園のほんの入り口付近を見学。

公園の入り口ではワニや鹿なんかが飼われています。意外に大きくてビックリ。子ワニは別にされ育てられていました。飼育係らしいお兄さんが子ワニを触らせてくれたんだけど、硬そうな皮膚はワニ皮といわれるだけあって、とっても滑らかで気持ちよかった。

マングローブの林の中に遊歩道が作られていて、私たちはそこを散策しました。野生の親子猿に遭遇。とは言うものの、人間には慣れているらしく近寄ってきた。あいにく誰も食料を持っていなく餌付けはできなかった。背中に乗っている子ザルがかわいい。

木の名前「シュンドリ」。マングローブはテレビでしか見たことがなかったので感激。カニがいました。歩いた遊歩道は木で出来ていたんだけど、これが結構危険。しめって腐っていたり、穴があいてたり。ちょっとした冒険気分が味わえた。
運が良ければ野生のベンガルタイガーが見られるらしい。公園の管理者らしき人は「昨日そこまで来たのを見た」とトイレを指差した。滅多に見られないとは言え、うかうか入れないトイレがあるもんだとちょっと怖くなった。
そうそう、ベンガルタイガーではないけれど、私は運良く「川イルカ」が見れました。川イルカを見るとまたそこに戻ってこれるという、見れるととても縁起の良いものらしい。とは言っても、水面から何かが飛び出した!というのを目撃しただけで、ちゃんとイルカの姿を確認したわけではないのだけど。。。でもマルフさんが「川イルカですよ~、良かったですね~」言ってくれたので、うれしくなった。
シュンドルボンからホテルに戻ってから朝食をとり、出発!向かうはJessore(ジョソール)。Nokshi Kantha(ノクシカタ)を作っている村を訪ねる。ホテルを出てからお昼ご飯までトイレ休憩を一度あったが、それ以外は車での移動。みんなぐっすり。途中エビの養殖所がいっぱいあった。ほとんど日本に輸出されるらしい。日本人のエビ好きはスゴイね。
お昼は、マルフさんじゃないガイドの方のご実家でいただきました。村の名士で、ご家族の身なりや家の大きさなどから裕福さが伺えた。

お家の縁側でみんなで並んで食事。お家の女性達がてきぱきと世話をしてくれる。やさしい方々。ガイドの方の12歳の甥っ子は学校一の秀才。風貌から「デキスギ君」と勝手に呼ばせてもらった。洋服を着こなし、黒ぶちのメガネをかけ、小学生なのに立派な時計をしていた。
ご飯の後はご近所で素焼きをしているお家があるというのでお邪魔させてもらった。

このおじさん、とっても陽気。ろくろらしきものでぐるぐる回してあっという間に器を作ってしまった。その手際の良さはまさに職人。日本で見かける電動のろくろなんかじゃなく、駒をまわすようにして動かしていた。結構長い間回っているのだから、秘密があるのだろうな。

みんなにお礼とお別れを告げ、先を急ぐ。

こちらはバングラディシュを代表する「手刺繍製品」のノクシカタ。村のご婦人たちの重要な内職になっているとのこと。手の込んだ細かい刺繍が布一面に広がっているのにはため息がこぼれるほど。ダッカなどで売られる。日本で売ろうと思ったらきっと高額になるに違いない。思わず欲しくなるほどキレイな刺繍でした。

ご婦人たちはとっても明るくて、やさしい。トイレを貸してもらったんだけど、手を洗ったあとのタオルを用意してくれていた。英語を片言話す人もいて、「結婚しているの?」なんて聞かれたり。「まだです」と力なく答える私。「大丈夫よ」とも読めるやさしい眼差しを向ける彼女たち。はい、頑張ります!
またひたすら車移動。夕方にガンジス川の港につき対岸を渡るため船に乗る。この船はもちろんこの間の船と一緒。待っていてくれたんだね~。ありがと~。

船が出発するとキレイな夕日が見れた。あとはダッカに戻るだけ。夕日を眺め紅茶をすすり、旅の余韻に浸る。あっという間の3日間だった。とっても楽しかったな~。と。だが、嵐が待っていた。雨が降り風が吹き、波がぁぁぁぁ。揺られ~揺られる~。イスに座っているとあっちこっち行っちゃうので、手すりに捕まり、海の男よろしくずっと立ったまま耐えた。これもまたいい思い出。
対岸に着くとまたもや停電。港は真っ暗。凄い深い溝、ちょっとした谷?みたいなところに木の板が渡してあって、それを暗い中渡らないといけなかったのだけど、この旅の中で一番怖かったかも。。。
ダッカに着くと都会のかほり。排気ガスと騒音と。戻ってきたのだと実感した。Noguchiさんはその日に帰国だったので、みんなで空港へ送った。ドエルハウスに戻ってきて、ガイドさんとドライバーさんにお礼。本当によくしてもらって感謝感謝。
私にとっては、この日がバングラ最後の日。翌日一人バンコクへ行くのだ。みんなとビールや焼酎を飲んで最後の晩餐。本当にお世話になりました。初対面の人が多い中、本当に楽しく素晴らしい体験と旅が出来た。感謝感謝である。